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Googleアカウントのセキュリティ厳格化の前に、アカウント利用設定の点検をしよう

2022年5月18日

以下のGoogle社から発表。この日がいよいよ迫っています。

アカウントを安全に保つため、2022 年 5 月 30 日より、Google は、ユーザー名とパスワードのみで Google アカウントにログインするサードパーティ製のアプリとデバイスについてサポートを終了いたします

お使いのアプリ・ツール、もしくは実装したコードなどがGoogleアカウントのユーザー名とパスワードそのものを使用している場合、Googleのセキュリティ標準を満たしていないものとみなされ、この日まで動いていたものがエラーとなってしまう可能性があります。

今回は「SMTPメールサーバーでGmailを指定しメールを送信している」状況を例に、対応可否の判断ポイントと対応方法をお伝えします。

目次

1.現状の確認
2.対応方法
3.対応しなかった場合に予想されるエラー(UiPath、PowerAutomate、BizRobo!)

1.現状の確認

対応が必要かは、以下のように判断できます。

設定しているパスワードが「Googleアカウントパスワードそのもの」の場合、対応が必要です。 もし設定しているパスワードがわからない場合はGoogleアカウントの状況を確認し、「2段階認証プロセス」がオフの場合は対応が必要です。  これは、Googleアカウントのパスワードそのものを使用するには「安全性の低いアプリを許可」する必要があり、 「安全性の低いアプリを許可」するには、「2段階認証プロセス」がオフである必要があるためです。

※当該Googleアカウントの状況は、https://myaccount.google.com/security で確認できます。

2.対応方法

Googleアカウントのユーザー名・パスワードそのものを使用していると(=「1.現状の確認」で「要対応」の場合)、Googleのセキュリティ標準を遵守していない(安全性が低い)とみなされてしまいます。

そこで、Googleアカウントが提供している機能で「アプリパスワード」を発行し、そのパスワードを使用するように変更します。

アプリパスワードは以下の手順で発行します。

①2段階認証プロセスを設定する

https://myaccount.google.com/securityから「2 段階認証プロセス」を選択し、画面に従って設定します。

※注:2 段階認証プロセスを設定すると、その時点からサードパーティ製のアプリとデバイスではアカウントのパスワードそのものは利用できなくなりますのでご注意ください。例えばアカウントのパスワードそのものを各所で使用している場合、アプリパスワード利用への切り替え作業はまとめて行うなど、配慮が必要と考えられます。

②アプリパスワードを発行する

1)https://myaccount.google.com/securityから「アプリ パスワード」を選択します。

2)アプリとデバイスを選択し、生成をクリックします。

3)黄色枠内表示されるアプリパスワードをコピーします。

※画面を閉じると、このパスワードを再表示することはできません。
 コピーを忘れた場合は、もう一度アプリパスワードを生成してください。

Gmail送信時に設定しているパスワードをこのアプリパスワードに置換し、対応は完了です。
最後に、メールを送信できるか確認しておきましょう。

3.対応しなかった場合に予想されるエラー

「サポート終了後もGoogleアカウントのパスワードそのものを使用してメール送信をした場合」に予想されるエラーを、RPAツール別にいくつか挙げてみます。

UiPath

SMTP メール メッセージを送信: 534: 5.7.9 Application-specific password required. Learn more at 5.7.9  https://support.google.com/mail/?p=InvalidSecondFactor - gsmtp 20:49:15.6345 => [ERROR] [UiPath.Studio.App.Logging.OutputLogger] [52] RemoteException wrapping MailKit.Security.AuthenticationException: 534: 5.7.9 Application-specific password required. Learn more at 5.7.9  https://support.google.com/mail/?p=InvalidSecondFactor - gsmtp  ---> RemoteException wrapping MailKit.Net.Smtp.SmtpCommandException: 5.7.9 Application-specific password required. Learn more at 5.7.9  https://support.google.com/mail/?p=InvalidSecondFactor - gsmtp 

Power Automate

535: 5.7.8 Username and Password not accepted. Learn more at
5.7.8  https://support.google.com/mail/?p=BadCredentials - gsmtp: Microsoft.Flow.RPA.Desktop.Modules.SDK.ActionException: メール メッセージを送信できませんでした。 ---> MailKit.Security.AuthenticationException: 535: 5.7.8 Username and Password not accepted. Learn more at
5.7.8  https://support.google.com/mail/?p=BadCredentials - gsmtp ---> MailKit.Net.Smtp.SmtpCommandException: 5.7.8 Username and Password not accepted. Learn more at
5.7.8  https://support.google.com/mail/?p=BadCredentials - gsmtp

BizRobo!(Design Studio)

メール送信 アクションによるエラーが発生しました。電子メールの送信中にエラーが発生しました。認証に失敗しました

もしサポート終了後にこのようなエラーが出るようになったら、設定しているパスワードが原因の可能性があります。 アプリパスワードを使用しているか確認・再設定してみてください。

以上のように、対応可否の判断・実際の対応ともに非常に簡単なステップで実施できますので、できることなら事前の点検をして、安心してサポート終了日を迎えたいですね。
また、もしサポート終了後にエラーが発生するようになってしまった場合にも、当ブログの内容が参考になれば幸いです。

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