【最新版】IT導入補助金2025:補助内容や対象ツール、申請準備のポイントを詳しく解説!
2025年3月27日
2025年度も継続されることが発表された、IT導入補助金。
前年度と同様に、業務効率化やDXの推進、セキュリティ対策、インボイス制度への対応に向けたITツールやIT機器を導入する際に補助を受けられます。
本記事では、IT導入補助金2025の中でも「業務効率化やDXの推進に関する補助」を中心に、申請に向けた準備など、できるだけ分かりやすく解説していきます。
目次
1. IT導入補助金2025について
「IT導入補助金」とは、中小企業や小規模事業者が労働生産性の向上のため、業務効率化やDXに役立つITツールの導入費用を補助し、支援する制度です。
さらに2025年度は特に最低賃金付近で従業員を雇用されている事業者への支援が強化され、補助対象経費が拡充されました。
2. 2025年度の補助内容
下図の通り、IT導入補助金2025の制度概要が、IT導入支援事業事務局のポータルサイトで発表されました。
▶リンク:【IT導入補助金2025】IT導入補助金2025の概要について
IT導入補助金2025PDF表面 IT導入補助金2025PDF裏面▶引用元: 中小企業庁:中小企業対策関連予算「IT導入補助金2025」PDFより
補助内容としては2024年度と大きくは変わりませんが、下記のように一部内容が追加されています。
◆ 補助対象経費の追加
・保守サポートやマニュアル作成、開発費などの導入関連費
・IT活用の定着、内製化促進のため導入後の活用支援費
IT導入補助金2025では、ITツール導入費用に加え、導入後の保守サポートや、活用支援にかかる費用も補助の対象となりました。
◆ 通常枠の補助率
以下の条件を満たす中小企業は、通常枠の補助率が 2/3 になります。
「3か月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が、全従業員数の30%以上であることを示した事業者」に該当する中小企業
◆ セキュリティ対策推進枠の補助額
・最大補助額:100万円から150万円へ増額
・小規模事業者の補助率:1/2から2/3へ引き上げ
補助対象となるのはITツールの購入費だけでなく、導入に際してのコンサルティングや研修、マニュアル作成、また導入後の社内での定着や内製化を促す活用コンサルティング、保守サポートが対象に含まれていますので、よりDX化を促進する内容となっています。
▶参照:公募要領P.13「IT導入補助金2025」PDFより
3. 交付申請対象事業者
通常、経済産業省の補助金は、医療法人や介護関連、非営利団体や特定非営利活動法人などは申請対象外となることが多いですが、IT導入補助金は、幅広い業種・業態が申請対象となっています。
下表の通り、IT導入補助金は、他の補助金では申請できない業種分類も対応していることがわかります。
【中小企業などの定義】
業種分類 | 定義 |
①製造業(ゴム製品製造業を除く。)、建設業、運輸業 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主 |
②卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主 |
③サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く。) | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主 |
④小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主 |
⑤ゴム製品製造業(うち、自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業は①に該当。) | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が900人以下の会社及び個人事業主 |
⑥ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主 |
⑦旅館業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が200人以下の会社及び個人事業主 |
⑧その他の業種(上記以外) | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主 |
⑨医療法人、社会福祉法人 | 常時使用する従業員の数が300人以下の者 |
⑩学校法人 | 常時使用する従業員の数が300人以下の者 |
⑪商工会・都道府県連合会及び商工会議所 | 常時使用する従業員の数が100人以下の者 |
⑫中小企業支援法第2条第1項第4号に規定する中小企業団体 | 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
⑬特別の法律によって設立された組合又はその連合会 | 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
⑭財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
⑮特定非営利活動法人 | 上記①~⑧の業種分類に基づき、その主たる業種に記載の従業員規模以下の者 |
▶引用元:公募要領P.5「IT導入補助金2025」PDFより
【小規模事業者の定義】
業種分類 | 定義 |
①商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く。) | 常時使用する従業員の数が5人以下の会社及び個人事業主 |
②サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主 |
③製造業その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主 |
▶引用元:公募要領P.6「IT導入補助金2025」PDFより
また「IT導入補助金2025」のポータルサイトでは「🔗申請対象者チェッカー」が用意されており、会社規模と業態を選択するだけで要件を確認することがで可能です。是非そちらもご活用ください。
4.交付申請スケジュール(1次締切分)
交付申請受付は、2025年3月31日(月)から開始されます。
現在公表されている1次締切分の交付申請期間およびスケジュールの詳細は、下表のとおりです。
締切日 | 交付決定日 | 事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
通常枠 | 2025年5月12日(月)(予定) | 2025年6月18日(水)(予定) | 交付決定~2025年12月26日(金)17:00(予定) | 2025年12月26日(金)(予定) |
インボイス枠 (インボイス対応類型) | ||||
インボイス枠 (電子取引類型) | ||||
セキュリティ対策推進枠 | ||||
複数社連携IT導入枠 | 2025年7月24日(木)(予定) | 交付決定~2026年1月30日(金)(予定) | 2026年1月30日(金)(予定) |
受付から締切日まで1か月半近くあるように見えますが、4月下旬から5月上旬にはGWをはさむため、実質1か月程度しかありません。
1次締切に間に合わせるためには、スケジュールをしっかり立て、準備をする必要がありますね。
5.申請に向けて準備すること
IT導入補助金を申請するには、事前に必要な準備を整えておくことが重要です。本章では、申請に必要なステップを解説します。
①GビズIDプライムアカウント取得・みらデジ経営チェックの実施等
IT導入補助金申請に先駆けて、下記3つの項目の実施が必要になります。
1. GビズIDプライムアカウント取得
GビズIDプライムアカウントは、IT導入補助金申請に必須となります。
取得には約2週間かかるため、申請のご予定がある場合は受付開始前に必ず取得しましょう。
▶リンク:GビズIDプライムアカウントの取得
▶参照:新規申請・手続きフロー詳細「IT導入補助金2025」より
2. セキュリティアクション宣言実施
セキュリティアクションとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。
申請要件として、「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言が必要になります。
手続き開始から完了まで約2~3週間かかるため、こちらも早めに実施しましょう。
リンク:セキュリティアクション宣言実施
3. みらデジ経営チェック実施
IT導入補助金2025の通常枠では、「みらデジ経営チェック」を実施することが必須となっています。
また通常枠以外の枠においても、当チェックを実施することで、補助金申請時に加点を得られ、採択率を大きく向上させることが可能です。
チェック自体は、約30分で簡単に登録できるので、通常枠以外の枠で申請するとしても、必ず実施しておきましょう。
リンク:みらデジ経営チェック
②課題把握と改善目標の明確化
まずは、現状の業務フローを整理し、「定型化されているがマンパワーだけがかかる業務」「ヒューマンエラーが発生しやすい業務」といった課題を洗い出します。
次に、「業務効率化」や「自動化によるコスト削減」のように、補助金要件に直結する課題を優先して、具体的な改善目標を設定します。また、ITツール導入による効果をシミュレーションし、改善目標は「月間作業時間の30時間削減」のように数値化することが重要です。
最後に、これらの課題と目標を事業計画に落とし込み、説得力のある申請書を作成します。
このプロセスは、IT導入補助金の申請準備において、審査での評価基準である業務効率化や生産性向上を示すために必要となります。具体的な事業計画を策定するためにも、課題と改善目標を明確にしましょう。
③ITツールと支援事業者の選定
課題と改善目標が明確になったら、いよいよ導入するITツールの選定に入ります。
また、IT導入補助金は支援事業者(ベンダー)とともに申請を行う必要があります。
当社では、改善目標に最適なITツールのご提案や、申請に関するサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
6.申請対象となるITツール
IT導入補助金や申請手順が分かったところで、次に気になるのは「どんなツールが補助金の対象となるのか」ではないでしょうか。
現在、補助対象として登録されている IT ツールは、「🔗IT導入補助金2025 – ITツール・IT導入支援事業者検索」から確認できます。
大まかな分類として、以下の業務プロセスに該当する IT ツールが補助対象となります。
【対象業務プロセス】
① 顧客対応・販売支援
② 決済・債権債務・資金回収
③ 供給・在庫・物流
④ 会計・財務・経営
⑤ 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
⑥ その他業務固有のプロセス
⑦ 汎用・自動化・分析ツール
※⑦単体では申請不可ですが、上記①~⑥と組み合わせることで申請可能です。
▶引用元:公募要領P.13「IT導入補助金2025」PDFより
例えば、BoxなどのストレージサービスやRPAツールは上記⑦に該当し、単体では申請ができませんが、CRMツール(Salesforceなど)や BIツール(Power BIなど)は、それぞれ①、②、④に該当するため、単体での申請が可能です。
このように、どのツールがどのプロセスに該当するのか判断が難しく、ツール選定には想定以上の時間がかかることがあります。
申請準備と並行して、実績のある支援事業者とともにツールを選定することで、迷いや誤りを防ぎ、スムーズかつ適切に進められるでしょう。
7.最後に:IT導入補助金の申請、DX化支援はオルトロボにお任せください
本記事では、IT導入補助金の全体概要をまとめました。
しかし、実際にはさらに細かい要領が多数あります。要領を読むだけで疲れてしまうこともあり、大切なポイントを見落としてしまうかもしれません。
ですが、ご安心を。
申請サポートは、ぜひオルトロボへお任せください!
弊社では、支援事業者として申請から交付まで、手厚くサポートしています。
また交付後においても、ITツールの導入および活用コンサルティング、開発や内製化など、DX化を全般的にご支援しております。
これまで100社以上の企業様のDX化を成功に導いた実績がございますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。